2009年2月18日
25年前から8年間,インプラント治療から遠ざかっていた理由
こんばんは、Dr.森嶋です。
前述の通り、私の専門は口腔外科、インプラントの学問です。大学で、私はインプラント治療の教育を受けました。
しかし、今から 年前の大学病院の口腔外科では、インプラントの手術と言えば、インプラントを入れるのではなくて、インプラントを除去する、取り外すことが多かったのです。
せっかく入れたインプラントを何らかのトラブルから取り去らなければならなくなった方の治療を、当時の大学病院では延々と行っていたのです。そんな症例を日々目の当たりにしていた私は、インプラントって怖い!」「インプラントは失敗すると大変だ!」そんな思いを強く持つようになってしまったのです。
先輩の開業医のもとでも、多くのインプラント治療をみる機会がありました。開業医がその当時行っていたインプント治療では、「ブレードタイプ」という平べったい板状のインプラントや、「サファイヤインプラント」という金属ではなく透明なインプラントをよく使用していました。また、「形状記憶合金インプラント」という、熱を加えると板状のインプラントが左右に開いて骨にがっちりと食い込むタイプのインプラントもありました。しかし今では、そのようなインプラントは、診療室でもほとんど目にすることはありません。この年間でそれらの〝旧式〞のインプラントは、ほとんど取り去られてしまったのです。では、今のインプラント治療は実際どうなのでしょうか?インプラント治療とは、今でもそんなに失敗が多かったり、予後が悪かったりするものなのでしょうか?
次回は、インプラントから8年間遠ざかっていた私が、今一度インプラント治療に立ち返る切っ掛けとなった出来事に関して書かせていただきます。
2009年2月 9日
私のインプラントとの出会い
まずは私のインプラントとの出会いですが、25年前口腔外科医局で初めてインプランを実際に見ました。 私は昭和33年に栃木県で生まれ、歯学部へと進み、大学卒業後、歯学部大学院に在籍して、口腔外科といって、歯を抜くことや、インプラント手術専門の教室で学び研究していました。
その当時インプラントは歯の代用臓器として期待されましたが、25年前のものはまだまだ臨床成績が不安定で研究開発中でした。インプラントの研究をしながら、先輩の歯科医師の先生が行うインプラント治療を見学していましたが、私自身のインプラント治療に対する否定的なイメージはなかなか拭うことができませんでした。
なぜ私は、25年前のインプラントに否定的だったのでしょうか?
その理由を次回に書かせていただきます。
2009年1月29日
インプラント治療に不安を持たれている方へ
こんにちは、Dr.森嶋です。
この文章を読まれている方は少なからず、インプラント治療に興味を持たれていると思います。
「インプラント治療って最近よく聞くけど、実際どうなの?」
「よいって言う人と、よくないって言う人がいて、どっちが本当かわからない!」
いろいろな不安や心配、そして少しだけ期待が入り混じった心境でしょうか?
それもそのはず。インプラント治療は外科的な処置を伴いますし、多くの場合、治療費が高額になることが多いので誰でも失敗したくないと思われるのは当然です。
実際、インプラント治療を「やってよかった」と言われる方がいる一方で、「止めた方がいい!」と言われる方もいます。一体どちらを信じればよいのでしょうか?実は、どちらの答えも本当なのです。どうして、どちらも本当だと言えるのでしょうか?
また、こんな質問もよく耳にします。
「インプラントで失敗しないコツってあるのでしょうか?」
はい、あります。
インプラントで失敗しないためには、まずはあなた自身が、今のインプラント治療について正しい知識を持つことが大切です。
そういった疑問にお答えすることで、あなたの不安を取り除くことができれば、という思いを込めて私はこの文章を書きました。
これから何回になるか分かりませんが、インプラント治療に関する正しい知識をかかせていただきます。
私は今まで 16年間インプラント治療を進めてきて、既に400名以上、700本以上のインプラントの施術を行ってきました。そんな私ですが、実は16年前まではインプラントに対してかなり否定的な考え方を持っていました。ところが、その考えを180度変えることになる出来事があったのです。
次回から、そのことについて書かせていただきます。
2009年1月20日
義歯使用者=身体障害者?
こんにちは、Dr.森嶋です。
今回は、入れ歯になることが私たちにとってどのような状態になるか考えてみます。
「入れ歯」のことを「義歯」と呼びますが、体の各器官を代用するものとしては、他に「義足」「義手」「義眼」などがあります。「義足」「義手」「義眼」を使用している方を、身体障害者と呼びますので、「義歯」を使用している方も身体障害者ということになります。義歯・義手・義眼を使用する方には、身体障害者との意識がありますが、義歯の場合はありません。理由は、老齢期になると多くの方が義歯を入れるために社会的違和感が少なく、身体障害者との意識がないからだと思います。
しかし、義歯は歯に比べて噛めないため、義足と同じように使用するのに苦労します。義歯を使用するということは、器具により口腔の障害を代用することになりますから、その意味では義歯使用者は身体障害者なのです。
適切な治療を受ければ、一生涯自分の歯で食事を摂れます。ぜひ口腔の身体障害者にならないためにインプラントなどの先進医療を活用すべきです。
2009年1月11日
最も発生頻度が高い舌癌に関して
こんにちは、Dr.森嶋です。
今回は、口腔癌(舌、口底、頬粘膜、上下歯肉、硬口蓋の癌)のうち最も発生頻度が高いとされている舌癌(舌がん)に関して書かせていただきます。
解剖学的に舌は舌尖、舌背、舌縁、舌根、舌下面に分けられます。このうち舌根は中咽頭に分類され、舌の前方3分の2の可動部がいわゆるoral tongueです。舌癌の大部分(90%)は舌縁に発生し、残りが舌尖、舌下面、舌背に発生します。早期舌癌の肉眼的所見は外向発育型、内向浸潤型、表在型の3群に分けられます。
舌癌の予後および治療後の形態、機能を規定する要素の一つとして、舌癌の舌周囲組織への進展度があげられます。
舌縁部に発生した癌は、舌の前後方向に進展し、さらに側方口底から下顎歯肉、下顎骨へ進展します。後方では舌根、前口蓋弓、扁桃窩、中咽頭側壁、副咽頭腔へと進みます。また下方深部へ進行したものでは舌骨上筋群に浸潤、舌の運動性が乏しくなります。したがって、進展したケースでは初診時、舌の運動障害、開口障害がみられます。
舌はリンパ管、血管がともに豊富であり、舌癌はこのリンパ流に沿って、リンパ節へと転移を起こしやすいのです。初診時の転移リンパ節の有無は、一次治療後の予後に関与する重要な因子であり、初診時転移リンパ節がなくても、転移リンパ節の出現に注意を払った経過観察が必要です。
原因、誘因としては喫煙、飲酒、歯列不正、う歯、不適合義歯、口腔の不衛生などが考えられます。喫煙飲酒歴の長い患者さんでは、上部消化管に重複して癌を有することが少なからずあり、併せて内視鏡等による検査が行われます。