【院長ブログ】神経麻痺(下顎神経)
こんにちは、Dr.森嶋です。
森嶋歯科医院では、下の親知らずの抜歯はお勧めしていません。理由は、神経麻痺をおこす可能性があるからです。
神経麻痺は、正確には下顎神経麻痺といいます。下顎神経(三叉神経第3枝)が麻痺しますと、下口唇などの知覚等に関与していますので、下口唇に麻痺感が出できます。
患者様が下口唇の麻痺感を相談に来られました。術後3年経ったそうですが、麻痺感がまだあるそうです。執刀医は、「今まで麻痺が出ないから、絶対に安全だ」と言ったそうです。 わたしの場合は、25年間に約3000本抜歯して3名の方に麻痺が出ました。3名ともに3カ月以内に麻痺感は消失して治りました。麻痺の可能性がありますので、伝達麻酔をできるかぎりしません。また、骨への損傷を避けるために歯を細かく分割して抜き、暴力的に力任せに抜きません。それだけ注意しても麻痺は起こるものです。
歯科治療には、偶発事故の可能性があります。患者様の安全を最優先に診療するように常に心がけています。