【院長ブログ】支援ネットワーク
おはようございます。Dr.森嶋です。
今回は10年間、保健医療行動科学会で演題発表してきました研究成果の内、支援ネットワークに関しまして書かせていただきます。
一般に、個人がもっている社会関係網を社会ネットワークといいます。その社会関係網のなかで行われる相互作用が“人に対する支援”という性格をもつと認められるものが“支援ネットワーク”です。支援ネットワークは手段的支援ネットワークと情緒的支援ネットワークに分けられます。
右の図は、患者様の社会関係網のうち患者様に対する支援という性格をもつネットワーク図です。行動科学学会で医療における支援ネットワークの重要性を症例報告しました時のものです。医療チームだけが、患者様を支えているんではありません。患者様は、社会、家族・友人、心理・宗教チームにも支えられている存在です。
御子息が、顎関節症で苦しんでいるお母様を何とか助けようとネットで調べて高崎からいらした患者様がいます。
顎関節症が治癒された時に「良かったね」と一番喜んでくださったのが御主人だそうです。本当に温かいご家庭・家族(支援ネットワーク)をお持ちです。これが患者様を癒しました。
支援ネットワークが弱体化した患者様は、なかなか癒されません。このことからも医療者は、患者様の肉体・精神のみならず社会環境にも配慮すべきだと思います。