【院長ブログ】無痛麻酔法の発見
歯科恐怖症の患者様の治療で重要なことは、いかに痛くなく治療するかということです。
そのためには、麻酔注射の技術が重要です。私の無痛麻酔法の場合、通常いつ麻酔したのかわかりません。単に表面麻酔を使用するやり方とは異なります。この無痛麻酔法は大学院時代の動物実験中にヒントを得て発見してから、独自に修練したものです。
大学院1,2年生の時は、他の先生の研究を手伝いながら自分の研究にも追われて、ほとんど大学病院の臨床に携れませんでした。その私が、偶然口腔外科の医局にいた時に隣の医学部大学病院から緊急患者が搬送されてきました。その患者様は、明日、心臓手術の予定でしたが、親知らずが腫れたために抜歯してほしいとのことでした。通常、注射麻酔で痛みを感じますと、血圧が20~30上昇しますが、その血圧ですら患者様の生命が危険にさらされますので、痛みを感じさせないで治療するように要請されました。全く痛みを感じずに抜歯が終わった時に、患者様のご家族から非常に感謝されました。
歯医者になって初めて患者様から感謝された経験が嬉しくて、それ以来この無痛麻酔法を必ず行っています。