【院長ブログ】カウンセリング
セカンド・オピニオンのみを依頼する患者様がいらっしゃることがあります。
カウンセラーの資格を持つ私にとって、リスニング(傾聴)して患者様と対話をすることは当たり前のことですが、カウンセラーの講習会に行く前は、かなりのストレスでした。
なぜならば、面接形式・説明型の問診しか訓練されていない歯科医師は、患者様の訴えに耳を傾けられないからです。先入感を脇においてリスニング(傾聴)できるためには、専門的訓練が必要です。
現代社会における受診者側の権利・平等意識の増大は、医療者の権威主義を否定する傾向にあります。その影響で医療現場における従来の面接形式・説明型のコミュニケーション(問診)に限界が生じ、カウンセリングが導入されました。しかし、その訓練を受けていない医療従事者にとってカウンセリングを実際におこなうのは不可能と思われます。まして「自分の治療技術はすばらしい」などと、自画自賛する医療者が権威者的考えでいましたら、リスニング(傾聴)が心的圧迫になりカウンセリングはできません。
悩める人との出会い方を模索していた私が、カウンセラーの資格を持った時、初めて私の視線が患者様と同じレベルになり、心の交流がおこりました。
その時から私は、カウンセリングなしで歯科治療を行えません。