大田区 上池台 歯科 歯医者 森嶋歯科医院

● 2008年3月のブログ一覧

2008年3月28日
【院長ブログ】オープンバイト(開咬)

おはようございます、Dr.森嶋です。

今回は、噛み合せの一形態のオープンバイト(開咬)に関して書かせていただきます。

オープンバイト(開咬)とは、一部の歯たとえば前歯が開いたまま咬み合わせることができず、麺類などが咬み切れないような症状です。指しゃぶりや舌の突き出し癖、あるいは顎の骨の発育方向の不調和などによって起こります。多くは咀嚼不全(よく咬めない)や発音異常(サ行、ラ行)がみられますが、自然に治ることはほとんどありません。

オープンバイトの場合、奥歯でしか噛んでいませんので噛み合せのバランスが不安定になります。靴に例えればハイヒールを、それも左右のヒールの高さが違う靴を履いた状態に似ています。ですから足首が痛むように顎関節症になりやすい状態です。

オープンバイトの治療としましては、奥歯の噛み合せのバランスを咬合調整により回復して、前歯は出来る限り咬ませるようにします。以上です。

 

2008年3月23日
【院長ブログ】咬耗

おはようございます、Dr.森嶋です。

今回は、お口の中でよく見かける咬耗に関して書かせていただきます。

 無意識に起こる歯ぎしりなどで、長年にわたり上下の歯が噛み合うことにより、エナメル質や象牙質(ぞうげしつ)がすり減って欠損となったものをいいます。磨耗(まもう)との違いは、自分の歯同士がこすりあって生じることです。 歯が互いにこすりあってできるので、誰にでも自然に咬耗はできるものです。ただし、一般的には非常に軽度でほとんど目立ちません。ところが、非常に強く噛む癖のある場合、硬い食べ物を好んで食べている場合、歯ぎしりをする場合などに、よくおこりやすいものです。

 

 私は患者様のお口に咬耗があると、噛み合せのバランスが悪いことを疑います。咬耗は噛み合せのバランスが悪いことの印です。ですから私の咬耗処置は咬耗を充填するとともに噛み合せの調節を行います。噛み合せの調節を行うことにより咬耗が出来づらくなります。「火のない所に煙が立たない」ように「噛み合せのバランスが良いお口に咬耗はありません」。以上です。

2008年3月19日
【院長ブログ】顎関節の脱臼

おはようございます、Dr.森嶋です。

昨日、患者様から以前治療中に顎がはずれてしまい、その先生がなかなか入れられずに、治療をうけることが不安だとお聞きしました。

顎関節の脱臼が習慣性になっていますと、簡単に外れてしまいます。顎関節の形によっては、整復処置が難しい方がいます。

実は、私は顎関節の整復処置が得意なのです。なぜかといいますと、大学病院時代に、顎関節が変形したために整復処置が難しい患者様の担当になった経験があります。この患者様の整復処置をするために、悪戦苦闘の末「仮称:森嶋式顎関節整復法」を考案しました。何とかしようと考えれば、アイデアは閃いてくるものです。

治療技術に関していえば、苦労して自得したものが臨床の場で役に立ちます。安易に書物や講習会で得た知識は、いざと言うときの実践にほとんど役立ちません。25年間臨床に携りますと、いろいろ苦労したこともありますが、幸いにもそのことが今役に立っていると実感しています。

2008年3月16日
【院長ブログ】燃えつき症候群

おたようございます、Dr.森嶋です。

今回は燃えつき症候群に関して書かせていただきます。

 

燃えつき症候群とは、持続的な職務上ストレスに起因する衰弱状態により、意欲喪失と情緒荒廃、疾病に対する抵抗力の低下、対人関係の親密さ減弱、人生に対する慢性的不満と悲観、職務上能率低下と職務怠慢をもたらす症候群のことです。

燃えつき症候群は、長期間にわたり人に援助する過程で、心的エネルギーがたえず過度に要求され枯渇して起こります。

ですから、燃えつき症候群にたいする積極的なメンタルヘルスは、心的エネルギーを高めることです。方法は多種・多様あります。私は行動科学の観点からいろいろ取り組んでいますが、その一部を述べてみますと、とにかく睡眠時間を確保します。そのためテレビは見ません。歯科診療が大好きですので仕事はストレスになりませんが、材料・器具はいいものを揃えて快適な診療をするようにしています。プラス思考の本や映画しか見ないようにしています。時間があるとストレッチングや呼吸法を行っています。・・・・・。

 

患者様から、以前の歯科医院では院長先生が乱暴な口調で従業員を叱っていたという御話をお聞きしました。大変残念なことです。いい雰囲気の職場作りも院長の責務です。医療環境が激しいのはわかりますが、そのことを理由に従業員や患者様に対する思いやりが無くなっていいわけではありません。歯科医院の雰囲気が悪くなりますと、従業員が燃えつき症候群に罹って職務上能率低下と職務怠慢をもたらしかねません。院長自らが率先して積極的にメンタルヘルスに取り組むべきだと思います。

 

森嶋歯科医院では診療の合間の時間があるとき、患者様に診療以外のことですが、積極的なメンタルヘルスに関してお話させて頂いています。私の行動科学の知識が、少しでも患者様のお役に立てることを願っています。

 

2008年3月13日
【院長ブログ】術後性頬部嚢胞

おはようございます、Dr.森嶋です。

 今回は、インプラント手術に関連して「術後性頬部嚢胞」に関して書かせていただきます。

上顎洞手術後数年から10数年を経て上顎洞内に袋(嚢胞)が発生し、頬部の腫張や疼痛を起こして来る場合があります。嚢胞は1つのことも2つ以上のこともあります。この嚢胞に感染が起こった場合に症状が現れてくることが多く、頬部の痛みと腫れとして始まり、さらに大きくなると、歯痛、涙が流れる、視力低下、複視、眼球突出など眼に関する症状も現れてきます。
 このような場合には、CTスキャンを行うと診断がつきます。
 治療は、急性症状に対しては、頬部(犬歯窩)から針を刺して排膿を行い、鎮痛剤、抗生剤の投与によって症状を和らげることができますが、根本的には、内視鏡を用いて鼻腔と嚢胞との間の閉鎖部分を開放し、排泄路をつくる手術が必要です。

上顎のインプラント手術に関するセカンドオピニオンを希望される患者様が来院されましたが、某歯科医院で上顎洞底部の骨の長さが充分でないためにサイナスリフトを行うことに関する相談でした。

この患者様の場合は6ミリのインプラントが可能ですので、上顎結節部に10ミリのインプラントを追加してサイナスリフトを行わない方法もあることを御説明しました。人口骨や移植骨を挿入して挙上し、上顎粘膜を損傷した場合、その後上顎洞炎を続発することがあります。その治療は大きな外科処置が必要ですし、その手術後に術後性頬部嚢胞のため10年に1回、上顎洞の再手術をしなければならない危険性があります。その危険性があるために、森嶋歯科医院ではできるかぎりサイナスリフトは行いません。

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